目次
前提条件
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今回説明する手順は、「ローカル環境にサーバを構築すること」を想定して説明します。
- ローカル環境とは「自分のPC環境」のことを指します。
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WindowsにApacheをインストールする方法はいくつかあります。代表的な方法は以下のとおりです。
- Apacheのソースコードを自分でコンパイルしインストールする
- Apacheのビルド済パッケージを使ってインストールする
- XAMPPをインストールする(XAMPPの中にはApacheが含まれています)
- Chocolatey(パッケージ管理ツール)を使ってインストールする
- 今回は「Apacheのビルド済パッケージを使ってインストールする」方法で説明します。
動作確認環境
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本ページの内容は、以下の環境で動作確認をしています。
- Windows 10 Home Edition 64bit
- Apache 2.4.41 Win64
Apache ダウンロード
- Apacheのビルド済パッケージをダウンロードします。
- Apacheのビルド済パッケージは、「Apache Lounge」ホームページ内の「Downloads」ページからZIP形式のファイルで手に入れることができます。

- ページには「32bit版」「64bit版」がありますので、自身の環境に合ったものを選択します。
- 今回は「Win64(64bit版)」の方を選択しファイルを適当な場所にダウンロードします。
- Apacheのダウンロード手順は以上です。
Apache インストール
- Apacheのインストールは、ダウンロードしたZIPファイルを展開し任意の場所に配置するだけです。
- ZIPファイルを展開すると「Apache24」というフォルダがあります。
- その中にあるフォルダ・ファイル群をインストールしたい場所に移動させます。
Apacheのフォルダ階層
C:
└ーapache
├ーbin
├ーcgi-bin
├ーconf
├ーerror
├ーhtdocs
├ーicons
├ーinclude
├ーlib
├ーlogs
├ーmanual
└ーmodules
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今回は上記のとおりにCドライブ直下に「apache」という名前のフォルダを作成し、そこに配置します。
- 別の場所に配置しても問題ありません。その場合、以降の説明については自身が配置した場所に読み替えてください。
- Apacheのインストール手順は以上です。
環境変数の追加
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Apache実行フォルダパスを環境変数Pathに追加します。
- 本手順は必須ではありませんが「コマンドプロンプト」からの操作をしやすくさせるため実施します。
Apache実行フォルダパス
C:\apache\bin
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Apache実行フォルダパスとは「Apacheフォルダ配下のbinフォルダ」を指します。今回は上記の値になります。
- 環境変数の追加手順についてはWindowsで環境変数を設定するを参考にしてください。
Apacheのバージョン確認コマンド
httpd -v
実行結果
Server version: Apache/2.4.41 (Win64)
Apache Lounge VS16 Server built: Aug 9 2019 16:46:32
- 環境変数への追加後、「コマンドプロンプト」で「Apacheのバージョン確認コマンド」を実行します。
- 実行後、上記のような結果が得られれば設定成功です。
- 「環境変数Pathの追加」の手順は以上です。
Apache 初期設定
- Apacheを起動させるためには、初期設定が必要です。
- Apacheの設定をするためには、設定ファイルをテキストエディタを使って書き換える必要があります。
Apache設定ファイル場所
C:\apache\conf\httpd.conf
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Apache設定ファイルは「Apacheフォルダ配下のconfフォルダの中にあるhttpd.confファイル」です。今回は上記の値になります。
- ここでは、設定ファイルの詳しい説明はしません。もし詳しい説明が必要な場合は「[link-apache-reference-conf]」を参照してください。
- まずは設定ファイルを編集するためテキストエディタ(メモ帳など)で開きます。
ServerRoot設定
37行付近の修正前内容(httpd.conf)
Define SRVROOT "c:/Apache24"
- 37行付近に上記のような記載があります。
- ここには「Apache本体の場所」を記述する必要があります。
37行付近の修正後内容(httpd.conf)
Define SRVROOT "c:\apache"
- 今回は上記のように修正します。
- ちなみにここで修正した値は設定ファイルの様々な場所で参照されています。
39行付近の記載内容(httpd.conf)
ServerRoot "${SRVROOT}"
- 例えば39行付近に上記のような記載があります。
- この「
"${SRVROOT}"
」とは、「3.」で修正した値("C:\apache"
)を参照しています。
39行付近の意味(httpd.conf)
ServerRoot "c:\apache"
- つまり39行付近の内容は、上記内容と同じ意味になります。
ServerName設定
227行付近の修正前内容(httpd.conf)
#ServerName www.example.com:80
- 227行付近に上記のような記載があります。
- ここでは「サーバが自分自身を示すときに使用するホスト名とポート番号」を指定する「ServerName」の設定がコメントアウトされています。
227行付近の修正後内容(httpd.conf)
ServerName localhost:80
- 今回はローカル環境向けにサーバを構築することを想定しているため、上記のように修正します。
設定内容チェック
設定ファイル内容チェックコマンド
httpd -t
実行結果
Syntax OK
- 最後にこれまでの設定内容が正しいかをチェックします。
- 上記の「設定ファイル内容チェックコマンド」を実行し「Syntax OK」と表示されれば問題ありません。
「Syntax OK」以外が表示された場合は、記述内容に誤りがないかを確認してください。